東芝が太陽光事業を撤退

東芝子会社でエネルギー事業を手掛ける東芝エネルギーシステムズ(神奈川県川崎市)は2月3日、住宅用太陽光発電システムから撤退すると発表した。販売は終了し、ユーザーサポートは株式会社エクソル(京都市中京区)に移管する。

 国内では2012年のFIT制度(固定価格買取制度)導入を機に急速に市場が拡大。東芝エネルギーシステムズも10万戸以上の導入実績を持つが、一方で多数のメーカーが市場に参入したため競争が激化している。「今後の事業戦略を総合的に検討した結果、事業の終息を決めた」。

 今後は太陽光発電所の建設など、産業用太陽光発電事業に注力する。また異なる性質の太陽電池(セル)を重ね合わせることで高効率化を図るタンデム型太陽電池など次世代技術の実用化にも取り組む。

 保守サービス業務を引き継ぐ株式会社エクソルは2001年設立の「太陽光発電の総合企業」。住宅用の太陽光発電システムの販売と施工には20年以上の実績があるとしている。

東芝グループは次世代太陽電池にも注力しており、薄く軽く曲げることが可能で多様な場所に設置できるフィルム型ペロブスカイト太陽電池などの実用化を目指すとしています。

参照URL

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2302/03/news184.html

https://news.yahoo.co.jp/articles/5d308ac073a0d08665b228e9c1f2e0a9780da51a

東芝の太陽光発電はシャープやPanasonicと違い、自社製造ではなく、アメリカの「サンパワー」という会社の太陽光パネルのOEMでした。2018年5月のプレスリリースに東芝は「太陽光事業を継続する!」と言っていましたが、結局撤退。

色々調べると、東芝は2019年に蓄電池事業も撤退し、2021年に住宅用太陽光発電も撤退。今回、アフターメンテナンスも含めて完全に撤退するみたいです。

どうも、東芝が太陽光事業に参入したのは2010年。固定買取制度が終了する卒FITたち向けに蓄電池の販売を目論んでいたと思いますが9年で撤退。思った以上に蓄電池が売れなかったのでしょう。そりゃそうだ。

なぜ、東芝の太陽光発電を買った人は
蓄電池を買わないのか?

東芝の太陽光パネルは「安い」というイメージがあります。相見積りになった時に、あまりにも安い価格で驚いたのを今でも覚えています。太陽光バブルの時に参入して、安さで勝負した結果、どんな人が東芝の太陽光を購入したのかというと「儲かる話」に飛びつく人です。購買の判断基準が「安さ」の人です。

誤解のないように付け加えると、東芝の太陽光を購入した人全員が「儲かるから太陽光発電を設置した」とは言いませんが、複数ある見積もりの中から一番安い価格の太陽光発電を選んだ人たちです。(少なくとも、私が出会ってきた人はそんな人ばかりだった)そんな人が蓄電池を設置するわけがない。

だって、儲からないから。

蓄電池は太陽光発電のように儲からないです。

だから、「儲かる」「価格の安さ」で東芝を選んだ人が、蓄電池を購入するわけがないんです。そりゃ蓄電池も太陽光も早々に撤退するわという感じです。客層が違う。

ちなみに、三菱の太陽光発電も2020年3月に販売・製造を中止、Panasonicも2021年に自社工場での製造を中止、出光興産のソーラーフロンティアも2021年に国内生産を中止してOEMにすると発表。今現在、アフターは各メーカーがやってくれていますが、東芝同様、いつ撤退してもおかしくない状況ですね。

各メーカーが太陽光事業を撤退するということは、太陽光市場が縮小していることです。もしくは、巻き返しが難しいからか。実際、世界の太陽光トップシェアのほとんどは中国メーカーばかり。日本の輝かしい太陽光事業は過去のものです。太陽光事業はこのまま縮小していく一方で、復活の兆しは今の所、皆無の状態です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です